UAWの反論 「UAWのメンバーと自動車産業の真実」 Part4

Q:クライスラー、フォード、GMは近年中西部以外の工場のほとんどを閉鎖しています。ですから、自動車業界の危機は中西部のいくつかの州にしか影響がないのではありませんか?
A:いいえ。
米国の自動車産業は依然として国家産業です。自動車産業は米国全土の大小さまざまな企業から、数兆ドルもの製品やサービスを購入しています。
国内自動車会社の経営破綻はドミノ現象により最大300万人の失業を生み出す可能性があります。サプライヤー、ディーラー、製鉄会社、ガラス製造会社、タイヤ製造会社などを含む何千もの小規模、中規模、大規模企業がリスクにさらされています。
Big3の破綻は、これらの巨大な取引なしでは事業を継続できない、多数の部品供給会社の破綻の引き金となるでしょう。この結果、自動車産業界のサプライチェーンは相互に絡み合っているため、国内・国外を問わず、すべての自動車会社は部品やサプライの欠落に直面することになるでしょう。このような連鎖が起きた場合、すでに深刻な不況下にある米国経済にとって破滅的な工業生産の低下を招くことが避けられません。
100万人以上の退職者とその家族がクライスラー、フォード、GMから年金や健康保険を提供されています。自動車会社の破綻が起きた場合、彼らは年金の削減に直面するとともに、健康保険による福利厚生を失うでしょう。40%の退職者は65歳以下でメディケアの資格を持たないため、無保険者になる可能性があります。
更に、自動車会社の破綻によって引き起こされる経営破綻の連鎖によって、小規模企業の数十万の労働者が年金プランを失うことになるでしょう。これは連邦政府の年金プログラムに深刻な負担をかけることになります。
このように大量の失業が発生すれば、既に財源不足とサービス需要の増加に政府が苦闘しているその時に、急激な税収の低下をもたらすでしょう。
米国経済は既に深く長いリセッションに直面しています。Big3が一つでも失われた場合、更なる経済不安、失業、経営破綻を引き起こすことになるでしょう。これは現在のリセッションをデプレッションに変容させ、経済の回復を半永久的に遅滞させる可能性があります。

以上