UAWの反論 「UAWのメンバーと自動車産業の真実」 Part1

Q:しかし、労働者コストが年々上昇すれば、フォード、GMクライスラーにとって追加の負担となるのではないでしょうか?
A:いいえ。
上に述べたように、2005年および2007年の契約譲歩により、米国自動車メーカーの労働者コストは実際に減少しました。
例えば2005年にはUAWは自動車メーカーの健康保険コスト負担を軽減するため、3%の賃上げを断念することに同意しました。また退職労働者への福利厚生条件も変更されました。2007年の新規労働者の給与は半分に減額され、従来の退職者健康保険および年金プランから除外されました。
さらに、同じく2007年に、UAWと自動車メーカーは退職者の健康保険の管理を個々の自動車会社から独立したVEBAファンドに移管するという歴史的な合意を行いました。2005年と2007年の契約更新により、自動車会社の退職者健康保険の負担は50%削減されました。

Q:クライスラー、フォード、GMのレガシーコストが高いのは、退職者に対する高額の年金や、健康保険が原因ではないのですか?
A:いいえ。
クライスラー、フォード、GMのレガシーコストが海外の自動社会社に比べて高い理由は、退職者に対する福利厚生が高額であるためではありません。単純に、これらの会社の退職者が多いためです。国内(米国)の自動車会社は操業歴が長いため、それだけ多数の退職者を抱えています。これに対して、海外メーカーは米国での操業歴は25年程度であるため、退職者数は非常に少ないのです。
さらに加えて、トヨタ、日産、ホンダ、BMWメルセデスの退職者の大部分は健康保険コストを社会全体で分担するシステムの国で生活しています。自動車メーカーだけでなく、すべてのアメリカ企業の重荷となっている高額の健康保険負担を解決するには、国営健康保険システムの再構築が必要なのです。
しかしながら2007年の国内自動車会社との交渉において、我々は政府が対処するのを待つことはできないと認識しました。我々は退職者の健康保険を運営する独立した基金、即ちVoluntary Employee Beneficiary Assosiation(VEBA)を創設することで、この問題に自力で対処しました。VEBAは自動車会社を退職者健康保険の義務から解放するでしょう。

>>続く